現在、流行しているeスポーツのジャンルの1つがデジタルカードゲームである。日本からも多くのトッププレイヤーが生まれているデジタルカードゲームについて解説する。
デジタルカードゲームの種類
デジタルカードゲームが流行したのはここ数年のことであり、歴史は非常に浅い。それまでは紙で行うカードゲームが主流であった。しかし、対戦相手がなかなか見つからない・カードが非常に高額であるという問題があり、それらを解消したデジタルカードゲームが生まれ、現在は非常に高い人気を獲得している。その中から主要なタイトルを紹介する。
ハースストーン
現在のデジタルカードゲームのブームを作った火付け役が『ハースストーン』である。アメリカのブリザード・エンターテイメントが2014年3月11日にサービスを開始した、このカードゲームは同社のウォークラフトシリーズの1つで現在の登録者数が、全世界で1億人を突破している人気ゲームだ。
4月から3月までを1年としてカウントし、クラーケン年・マンモス年・ワタリガラス年・ドラゴン年・フェニックス年と移り変わっており(2020年5月5日現在はフェニックス年)、1年間に3つの拡張パックが発売される。
カードが使用できる期間はメインとなるスタンダードルールでは、現在の年と1つ前の年となる。例えば、現在はフェニックス年にあたるので、フェニックス年と1つ前のドラゴン年のカードが使用可能となる。発売当初はパソコンのみであったが、現在はスマートフォンでのプレイも可能である。
シャドウバース
ハースストーンは主に海外で人気だが、日本で人気が高いデジタルカードゲームが『シャドウバース』である。2016年6月17日にCygamesがサービスを開始した『シャドウバース』の『ハースストーン』との大きな違いは、先に発表されたプラットフォームがスマートフォンであるという点だ。
現在はFANZAGAMESやsteamでプレイ可能だが、そのインターフェイスはあきらかにスマートフォンに最適化されている。こちらはCygamesのRPGである『神撃のバハムート』の世界観をベースにしており、同社作品のスピンオフという点は『ハースストーン』と同じだ。プロデューサーは『神撃のバハムート』や『グランブルーファンタジー』とおなじ木村唯人である。
MTG Arena
紙のカードゲームの元祖であるMTGは以前から様々なプラットフォームでデジタルカードゲームに進出しようとしてきた。だが、そのいずれも成功したとはいいがたいものであった。その理由は『ハースストーン』や『シャドウバース』と異なり、相手のターンにも行動可能なことから処理の確認が煩雑であること、ルールの複雑さなどが理由であった、しかし、MTG ArenaはそれまでのMTGが制作したデジタルカードゲームと比較し、はるかにテンポ良くプレイできることから人気を博している。
ドラゴンクエストライバルズ
2017年11月2日にスクウェア・エニックスがサービス開始したのが『ドラゴンクエストライバルズ』である。こちらは『シャドウバース』と同じく、先にスマートフォンでサービス開始となり、後にPCでもプレイ可能となった。
その名の通り、世界観はドラゴンクエストシリーズそのままである。スクウェア・エニックスはファイナルファンタジーの世界観をベースとしたデジタルカードゲームもサービス開始しているが、人気が高いのはこちらのタイトルだ。
デジタルカードゲームのeスポーツ展開
デジタルカードゲームは基本的に対戦を主眼においたゲームであるため、eスポーツと親和性が高い。実際に多くのデジタルカードゲームタイトルで競技形式の大会が開催されている。特に大規模な大会を開催しているのが『シャドウバース』である。世界大会の優勝賞金は1億円と全デジタルカードゲーム中最高額である。他にも高額賞金大会が多く、2018年度のeスポーツ日本人プレイヤー賞金獲得額ランキングでは、1位のふぇぐを筆頭に、5位と10位にもシャドウバースプレイヤーがランクインしている。
『シャドウバース』に次ぐ規模の大会を開催しているのが『ハースストーン』だ。『ハースストーン』ではあらかじめ、各地域で好成績を残したプレイヤーがグランドマスターとして選出され、年度の最後にグランドマスターの成績上位者と予選で好成績だった一般プレイヤーで世界大会を行う。その優勝者には30万ドルが与えられるシステムだ。現在のグランドマスターには、Alutemu・glory・possesiと3人の日本人プレイヤーが含まれている。
さいごに
外出せずに気軽に対戦が可能なデジタルカードゲームは、COVID19が流行している現在にうってつけのゲームである。また、世界的なeスポーツの流行にも乗りやすいジャンルであるため、さらなる発展が期待できる。